住む人と文化に触れた「松浦鉄道」佐世保旅
駅名は佐世保だらけ、地元学生、文化財、日本最西端?
■愛想よく挨拶をしてくれた高校生
泉福寺駅を出ると左に大きくカーブして左石駅に着く。上下線がかなり離れ、それぞれのホームは、先端部にある構内踏切で結ばれている。かつて、列車交換の際、タブレットの授受をしやすいようにこの形になっている駅が多く、その名残である。対向列車はまだ現われず、地元の高校生が大勢踏切を渡っている。さっさと反対側のホームに渡れば、佐世保行きの列車に間に合って戻ることができるのだが、それではあまりにもあっけないので、列車の発着を撮影して次の列車で佐世保に戻ることに決めた。20分毎に列車があるのだから気楽である。カメラ片手に列車を待っていたら、何人もの高校生が挨拶していく。
大都会の高校生なら、赤の他人に関わりたくはないだろうから、無愛想に通り過ぎるだけだが、田舎の高校生は、のんびりと、しかし中々愛想がよく好感が持てる。
今回は、時間の都合でこの駅で折り返したのだが、松浦鉄道の沿線の見どころはこの先にある。6つ先には、○○大学駅ではなく、単に大学駅という駅があり面白い。さらに進み、佐世保からやってきて折り返す列車の多い佐々駅を過ぎると、列車本数は1時間に1~2本に減る。
佐々駅の5つ先の吉井駅と潜竜ヶ滝駅の間にある福井川橋梁は、コンクリート製のアーチ橋で、その景観や歴史的価値から国の登録有形文化財に指定されている。第2次世界大戦中に建設されたもので、鉄材が不足していたため鉄筋ではなく竹を使った竹筋コンクリートという珍しい構造という説もある。しかし、調査しても詳しいことは分からなかったようだ。松浦鉄道には、ほかにも吉田橋梁、吉井川橋梁が登録有形文化財に指定されている。